バルト三国旅行記


聖ペテロ&パウロ教会


 夜明けの門を見学した後は、バスに乗って旧市街の北側に向かいます。バスは旧市街を迂回してネリス川を渡ります。ネリス川を渡るときに遠くに「聖フィリポと聖ヤコブ教会」が見えました。1624年に建てられたカトリック教会です。
 
ネリス川を渡る
ネリス川を渡る
桜公園
桜公園
 
 ネリス川を渡った所にある公園の横でバスをおります。公園の中には杉原千畝(すぎはらちうね)さんの記念碑があります。
 
 杉原千畝さん(1900〜1986年)は、1939年8月〜1940年9月に外交官としてリトアニアのカウナスという町に赴任しました。カウナスは当時のリトアニアの首都でした。彼が赴任した翌9月にナチス・ドイツ軍がポーランドに侵攻して第二次世界大戦が始まります。
 
 赴任中、彼は大量のヴィザを発行してナチス・ドイツに追われる6000人以上のユダヤ人を救ったと言われています。この公園には桜の木が植えられていますが、それらは彼の母校だった早稲田大学から寄贈されたものです。
 
杉原千畝の記念碑
杉原千畝の記念碑
広島の被爆敷石
広島の被爆敷石
 
 同じ公園の中には、広島の被爆敷石が置かれています。もともとは広島の路面電車の敷石に使われていたものでしたが、これに平和を願う婦人像を彫りこんで1991年8月6日に寄贈されました。説明によると、188枚の敷石が世界各国に贈られたそうです。
 
 桜公園を散策した後は、再びバスに乗り込みます。ネリス川に沿って北東にあるアンタカルニス地区に向かうと聖ペテロ&パウロ教会(聖ペトロ&ポヴィロ教会)があります。もともとは異教を祀る木像の教会が建っていましたが、大公宮殿と同じく1655〜1661年のモスクワ戦争で焼失しました。
 
 1668年にヴィリニュスがモスクワ公国の支配から解放された後、将軍パツァスの資金援助によって1668年〜1876年にかけてカトリック教会としてバロック様式で建設されました。
 
聖ペテロ&パウロ教会
聖ペテロ&パウロ教会
聖ペテロ&パウロ教会の内陣 →
聖ペテロ&パウロ教会の内陣
 
 教会の中に入ると、思わず息をのんでしまいます。内部は真っ白な装飾で統一され、2000体を超える彫像で飾られています。これらの彫像は、木像を漆喰で固めたもので、イタリアから招かれた彫刻家と数百人のリトアニア人によって制作されました。内装の完成までに30年かかったそうです。
 
 
 教会の内部はラテン十字型になっていて、十字が交差するドームの部分には船の形をしたシャンデリアが吊るされています。ラトビアのリエパーヤという町の職人によって制作されました。
 
聖ペテロ&パウロ教会のドームとシャンデリア
教会のドームとシャンデリア
聖ペテロ&パウロ教会の主祭壇
教会の主祭壇
 
 主祭壇には、「聖ペテロと聖パウロの別れ」の場面が描かれた祭壇画が飾られています。1804年にフランシスゼク・スムグレヴィッチが描いたものです。彼は、先ほど見学した大聖堂の祭壇画「聖スタニスラウスの殉教」を描いた画家です。
 
聖ペテロ像
聖ペテロ像
聖パウロ像
聖パウロ像
 
 教会を飾る彫刻群の中に聖ペテロ像と聖パウロ像があります。聖ペテロはイエスの一番弟子で、イエスから天国への鍵を譲られました。彼の像の腰に鍵が吊るされています。聖パウロは、もともとはキリスト教徒を迫害する側の人物でしたが、信仰に目覚めイエスの教えを広めました。二人は共にローマで殉教したと伝えられています。
 
聖ペテロ&パウロ教会の説教壇
教会の説教壇
聖ペテロ&パウロ教会のオルガン
教会のオルガン