カロリング朝フランク王国


カール大帝(748〜814)


 476年に西ローマ帝国が滅亡すると、西ヨーロッパでは様々な部族が領土を巡って争います。
 481年にフランク族の王に即位したメロヴィング家のクローヴィスは、チューリンゲン人やアレマン人、西ゴート族などを破ってガリア(フランス)を平定し、パリを首都とします。
 
 クローヴィスの死後、メロヴィング家は力を失い、代わって宮宰職を務めていたアウストラシア家(カロリング家)が台頭します。そして、751年にアウストラシア家のピピン3世(小ピピン)がフランク王に即位しました。
 
カール大帝(シャルルマーニュ)
カール大帝(シャルルマーニュ)

 768年にピピン3世の跡を継いだカール1世は積極的に遠征を行います。カール1世が支配した領土はドイツ、フランス、イタリアなどを含む西ヨーロッパ全土に及びました。
 
 800年12月25日、カール1世はヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂でローマ教皇から帝冠を授かり、西ローマ皇帝に即位します。以後、彼はカール大帝と呼ばれるようになります。
 
 カール大帝は帝国の首都をパリからドイツのアーヘンに遷します。そして、814年にアーヘンで72年の生涯を終えました。
 
 カール大帝の死後、広大な領土はバラバラになり、やがてフランス王国や神聖ローマ帝国が誕生します。この2つの強国はお互いにカール大帝の正当な後継者を主張し、数世紀に渡ってヨーロッパの覇権をかけて争いを繰り広げます。
 

476年 傭兵隊長オドアケルによって西ローマ皇帝ロムルスが退位に追い込まれ、西ローマ帝国滅亡
481年 メロヴィング家のクローヴィスがフランク王国の国王に即位
498年 クローヴィス、キリスト教に改宗
508年 クローヴィス、パリに首都をおく
511年 クローヴィス、死去
708年 ノルマンディ地方に建つ世界遺産のモン・サン・ミシェルノルマンディ地方のモン・トンブにモン・サン・ミシェル修道院の建設がはじまる
(写真はノルマンディ地方に建つ世界遺産のモン・サン・ミシェル
732年 メロヴィング朝フランク王国の宮宰カール・マルテルがトゥール・ポワティエの戦いでイスラム教徒のサラセン人を破る
747年 カール1世、誕生
751年 ピピン3世、フランク王国の国王に即位(カロリング朝フランク王国はじまる)
768年 ピピン3世、死去。カール1世とカールマンがフランク王国を相続
カール1世、アーヘンに首都をおく
771年 カールマン、死去。カール1世がフランク王国の全領土を相続
772年 カール1世、ザクセン人を討伐
774年 カール1世、イタリアに遠征してランゴバルド王国を滅ぼす
778年 カール1世、イベリア半島(スペイン)に遠征
788年 カール1世、バイエルンを征服
792年 ウィーンに建つペーター教会カール1世、ウィーンにペーター教会を建設
(写真はウィーンに建つペーター教会
800年 ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂で戴冠するカール大帝カール1世、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂で戴冠し、西ローマ皇帝に即位
(写真はヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂で戴冠するカール大帝)
814年 カール大帝、アーヘンで死去。ルイ敬虔王がフランク王国を相続
843年 ヴェルダン条約でフランク王国が3分割される。この3国がドイツ、フランス、イタリアの原型となる
987年 ユーグ・カペーがフランス王に即位し、カペー朝がはじまる