イタリア旅行記(ヴァチカン市国)
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サン・ピエトロ大聖堂
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続いては、サン・ピエトロ大聖堂の中で最も多くの観光客の注目を浴びているミケランジェロのピエタ像(イエスの死を悲しむ聖母)です。

ミケランジェロのピエタ |
この作品は、20代のミケランジェロが1499〜1500年にかけて製作しました。しかし、ミケランジェロの名前はまだ世間で知られていなかったため、作者を巡っていろいろな噂が飛び交いました。
そこで、ミケランジェロは当時この像が飾られていた教会に忍び込んで、聖母の肩にかかっている帯に署名を加えたと言われています。このピエタ像はミケランジェロの署名がある唯一の作品です。
この作品は1972年に精神異常者が手にした金槌で傷つけられるという災難にあいました。作品は奇跡的に修復され、以後はガラスケースで守られています。

グレゴリウス13世の墓碑 |
大聖堂内部には歴代のローマ教皇たちの墓碑も並んでいます。
グレゴリウス13世(1572〜1585年)は、ユリウス暦を改めて、現在世界で広く使用されているグレゴリオ暦を採用したローマ教皇として知られています。
アレクサンデル7世(在位1655〜1667年)はバルダッキーノなどを製作したベルニーニを庇護したローマ教皇で、この墓碑もベルニーニの作品です。
クレメンス13世(1758〜1769年)の墓碑は彫刻家アントニオ・カノーヴァの作品です。カノーヴァの作品は、オーストリア・ウィーンの美術史博物館やアウグスティナー教会でも目にすることができます。

アレクサンデル7世の墓碑
クレメンス13世の墓碑 → |
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そして、大聖堂を出たところにある回廊の脇には大きな騎馬像が立っています。アゴスティーノ・コルナッキーニが1725年に製作したもので、モデルはフランク王国のカール大帝です。

カール大帝の騎馬像 |
西ローマ帝国の滅亡後、広大な領土を巡って様々な民族が争いを繰り広げますが、やがてフランク王国が台頭します。
西暦800年12月25日、フランク王国のカール大帝はサン・ピエトロ大聖堂でローマ教皇レオ3世から西ローマ皇帝の帝冠を授かります。
カール大帝の戴冠は、かつての西ローマ帝国の復活と言われ、彼の帝国は後の神聖ローマ帝国の母体となりました。 |
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