イタリア旅行記(ローマ)


カピトリーノ美術館


 コンセルヴァトーリ宮殿に展示されている「カピトリーノの雌狼」という彫刻はローマ建国の伝説を物語る作品です。
 
カピトリーノの雌狼
カピトリーノの雌狼
 紀元前8世紀、トロイ戦争の生き残りアイネイアスの末裔としてロムルスとレムスの双子が誕生します。彼らは母親と引き離されて川に捨てられてしまいますが、近くを通りかかった1匹の雌狼に乳を与えられ、餓死から救われました。
 
 その後、羊飼いに拾われた双子は逞しく成長し、ロムルスは紀元前753年にローマを建国しました。
 
 続いては、この美術館で絶対に見逃せないマルクス・アウレリウス帝の騎馬像です。美術館の外に置かれているのはコピーで、これがオリジナルです。ローマ帝国の時代につくられた皇帝たちの像の中で唯一現存しているものです。
 
マルクス・アウレリウス帝の騎馬像
マルクス・アウレリウス帝の騎馬像
 マルクス・アウレリウス帝(在位161〜180年)はローマ帝国が最も繁栄した五賢帝時代の最後を飾る皇帝です。
 
 彼の治世は、東方でのパルティア戦役やローマ帝国への侵入を試みる蛮族との絶え間ない戦争に忙殺されました。
 
 一方で、彼はストア哲学に傾倒し、自身の心の内を綴った「自省録」という著書を残しています。
 
 西暦180年、マルクス・アウレリウス帝は蛮族と戦うために最前線基地ウィンドボナ(現在のオーストリア領ウィーン)に滞在中、病に斃れ世を去りました。
 
 
 カピトリーノ美術館には彫刻だけでなく絵画も展示されています。ここではその中から2点ほど紹介します。
 
 1つ目は、フェラーラ出身の画家ガロファロ(1481〜1559年)が1528年頃に描いた「受胎告知」です。もう1つの作品は18世紀にローマで活躍したポンペオ・バトーニの作品「聖家族」です。
 
受胎告知(ガロファロ)
↑ 受胎告知(ガロファロ)
聖家族(ポンペオ・バトーニ) →
聖家族(ポンペオ・バトーニ)