イタリア旅行記(ローマ)
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サンタンジェロ城
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サン・ピエトロ大聖堂の遠望 |
ヴァチカン博物館の後は昨日と同じく、もう一度サン・ピエトロ大聖堂を見学し、その後は、サン・ピエトロ大聖堂から真っ直ぐ延びるコンチリアツィオーネ通りを歩いてサンタンジェロ城に向かいます。
サンタンジェロ城は、もともとはローマ帝国のハドリアヌス帝がローマ皇帝たちの霊廟とするために西暦135〜139年にかけて建設したものです。ここにはハドリアヌス帝からカラカラ帝(在位211〜217年)までの歴代皇帝が埋葬されました。

サンタンジェロ城 |
その後、この霊廟は要塞として利用されるようになり、ローマ教皇が住むヴァチカン宮殿からの避難通路も設けられました。
1527年にドイツの傭兵たちが大挙してローマに攻め込んできたローマ劫略事件のときにはローマ教皇クレメンス7世がヴァチカン宮殿から避難通路を通ってこの城に避難しました。
サンタンジェロ城の前を流れるテヴェレ川に架かるサンタンジェロ橋には、ベルニーニのデザインによる10体の天使像が並んでいます。ただし、ここに飾られているのはコピーで、オリジナルは別の場所で保管されています。
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サンタンジェロ橋を飾る天使像たち |
サンタンジェロ城の頂上には大天使ミカエルのブロンズ像が立っています。これもコピーで、オリジナルは内部に保管されているそうです。

大天使ミカエルの像 |
西暦590年にローマでペストが流行したとき、ローマ市民たちは行列となって祈りの言葉を唱えながらサン・ピエトロ大聖堂に向かいました。
行列がこの城の前を通りかかったとき、城の頂上に剣を鞘におさめようとしている大天使ミカエルが姿をあらわし、間もなくしてペストはおさまりました。
この奇跡によって、かつてのローマ皇帝の霊廟はサンタンジェロ城(聖天使の城)と呼ばれるようになり、後年、頂上に大天使ミカエルの像が設置されました。
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