イタリア旅行記(ヴェネチア)
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ドゥカーレ宮殿
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ガラス工房を見学した後はフリータイムです。ドゥカーレ宮殿の入口に行ってみると、数人が並んでいるだけです。あまり待たずに入場できそうだったので、列の最後に並ぶことにしました。そして待つこと15分、宮殿の中に入ることができました。チケットを購入して先に進むと、コの字型になっている宮殿の中庭に出ました。

海から眺めたドゥカーレ宮殿 |
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ドゥカーレ宮殿の中庭 |
ドゥカーレ宮殿は、ヴェネチア共和国の総督(ドージェ)の官邸、政庁、裁判所など政治の中枢を担った建物です。内部はティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレットなどヴェネチアを代表する画家たちの作品がずらりと並んでいます。
宮殿の内部は残念ながら写真撮影が禁止されています。現地で購入した絵ハガキを使って内部の雰囲気や飾られている作品を紹介したいと思います。
下の画像は「元老院の間」と呼ばれる部屋です。ここは、ヴェネチアを代表する元老院の議員たちが外交政策や戦争に関する議論を行った部屋です。

ドゥカーレ宮殿の内部、元老院の間 |
「元老院の間」の隣に「4つの扉の間」と呼ばれる部屋があります。ここには18世紀のヴェネチア派を代表する巨匠ジャンバッティスタ・ティエポロ(1696〜1770年)の作品、「ヴェネチアに豊かさをもたらすネプチューン(1756〜1758年頃)」が展示されています。
作品の右側に描かれている女性は、アドリア海の女王と讃えられたヴェネチアをあらわしています。彼女は総督(ドージェ)の衣装をまとってヴェネチアのシンボルになっているライオンを従えています。左側には海神ネプチューンが描かれています。彼は金貨や珊瑚などの財宝を女王に献上しています。
この作品は、ヴェネチア共和国が海を支配し、その海から莫大な富を得ていることを象徴しています。

ヴェネチアに豊かさをもたらすネプチューン(ティエポロ) |
ヴェネチア共和国の議員たちが法律を承認したり選挙を行うときに使用したという「大会議の間(最高議会の間)」には世界最大級の油彩画と言われるティントレット(1519〜1594年)の「天国(1588〜1592年)」が飾られています。

天国(ティントレット) |
このドゥカーレ宮殿の内部は、ヴェネチアの繁栄や栄光を讃える作品で溢れています。1204年にコンスタンティノープルを攻略したヴェネチア共和国は、その後も次々と勢力を拡大します。クレタ島やキプロス島をはじめ、イタリア半島ではパドヴァやラヴェンナ、この後訪れる予定のヴェローナなども領土に加えました。
ちなみに、東方見聞録で知られるマルコ・ポーロはヴェネチアの出身で、1271年に東方へ向けて旅立ち、中国(元)のフビライ・ハーンに仕えた後、1295年に帰国しています。 |
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