ハンガリー旅行記


漁夫の砦


 カロチャ刺繍のお店を出て再びマーチャーシュ教会の前に戻ってきました。
 
漁夫の砦
漁夫の砦
 続いては、漁夫の砦を見学します。
 
 13世紀に漁師組合がここにあった市場を守っていたのが起源で、1900年頃に現在の真っ白な建造物に改築されました。設計を担当したのはマーチャーシュ教会の改築と同じくシュレック・フリジェシュです。
 
 漁夫の砦への入場は有料となりますが、私たちはツアー代金に含まれているので、そのまま入場できます。
 
漁夫の砦
漁夫の砦
漁夫の砦
漁夫の砦
 
 漁夫の砦には7つのとんがり屋根があります。これはハンガリーに到達したマジャール人の祖先が7つの部族で構成されていたことに由来します。
 
漁夫の砦から見たマーチャーシュ教会
マーチャーシュ教会
 アジアのウラル山脈の周辺で暮らしていたマジャール人は、西方へと移住しながら、896年頃の族長アールパードの時代に6人の部族長と共にハンガリー平原に到達しました。
 
 彼らは、さらに西へ進んでドイツやイタリアを荒らしまわりましたが、955年の「レヒフェルトの戦い」でザクセン家のオットーに大敗します。このオットーは962年にローマで戴冠されて神聖ローマ帝国を建国する人物です。
 
 ドイツで敗北したマジャール人は、これを機に侵略行為を止めてハンガリー平原に定住します。そして、西暦1000年にイシュトヴァーンがローマ法王から国王に戴冠されてハンガリー王国を建国しました。
 
 
 漁夫の砦からは、ドナウ川の向こうに広がるペスト地区を見渡すことができます。右の方に目を向けると、ドナウ川に架かるくさり橋が見えます。その先には聖イシュトヴァーン大聖堂があります。
 
ドナウ川沿いのくさり橋と聖イシュトヴァーン大聖堂
ドナウ川沿いのくさり橋と聖イシュトヴァーン大聖堂
 
 左の方に目を向けると、国会議事堂が見えます。1884〜1904年にかけて建設された国会議事堂の設計を担当したのはシュティンドル・イムレという建築家です。長さ268メートル、奥行118メートル、ドームの高さが96メートルあります。部屋の数は691あるそうです。
 
ドナウ川沿いの国会議事堂
ドナウ川沿いの国会議事堂