ハンガリー旅行記


ハンガリー国立美術館


 王宮の内部にはハンガリー国立美術館があります。ここにはハンガリーの画家たちの作品が展示されています。フラッシュを使わなければ写真撮影はOKとのことです。
 
ハンガリー国立美術館の内部
ハンガリー国立美術館の内部
 
 最初に紹介するのはシニェイ・メルシェ・パル(1845〜1920年)の作品です。彼は、「ハンガリーの印象派」と呼ばれた画家ですが、フランスの印象派画家と関わったことはなく独自に技法を習得したそうです。
 
5月のピクニック(シニェイ・メルシェ・パル)
5月のピクニック
(シニェイ・メルシェ・パル)
紫の女性 →
(シニェイ・メルシェ・パル)
紫の女性(シニェイ・メルシェ・パル)
 
 彼の代表作の「5月のピクニック」は、1873年に発表されたときは誰にも理解されなかったそうです。草原にたたずむ紫の衣装が印象的な「紫の女性」は、その翌年1874年に描かれた作品です。
 
薪を運ぶ少女(ムンカーチ・ミハーイ)
薪を運ぶ少女
(ムンカーチ・ミハーイ)
 続いてはムンカーチ・ミハーイ(1844〜1900年)が描いた「薪を運ぶ少女」です。
 
 ムンカーチ・ミハーイはブダペスト、ウィーンで絵画修業をした後にドイツを経てパリに拠点を移し、そこで印象派の影響を受けました。
 
 1873年に描かれたこの作品は、フランスのバルビゾンの森の中で見かけた小道で休息する少女を描いたものです。
 
 ムンカーチ・ミハーイは、オーストリアが誇るウィーン美術史美術館の天井画「ルネサンス賛歌」を描いた画家です。
 
 
 続いては国外の画家の作品を鑑賞します。本来は、これらの作品はこの美術館ではなく、後ほど行く英雄広場にある西洋美術館に展示されています。しかしながら、西洋美術館は現在改装中でクローズされているため、一部の作品がここに展示されています。
 
ピエトロ・ベンボの肖像画(ラファエロ・サンティ)
ピエトロ・ベンボの肖像画(ラファエロ)
 まずは、イタリア・ルネサンスの巨匠ラファエロ(1483〜1520年)が描いた「ピエトロ・ベンボの肖像画」です。ラファエロがフィレンツェで活動していた1504〜1506年の作品です。
 
 モデルになっているピエトロ・ベンボは、16世紀のイタリアで活躍した詩人です。
 
 続いてはフランドルの画家ピーテル・ブリューゲル(1526〜1569年)が1566年に描いた「洗礼者聖ヨハネの説教」です。洗礼者聖ヨハネは画面の奥で集まった民衆に教えを説いています。手前に描かれている人たちは背を向けていて、作品の鑑賞者と同じ視線で聖ヨハネを見ています。
 
洗礼者聖ヨハネの説教(ブリューゲル)
洗礼者聖ヨハネの説教(ブリューゲル)
洗礼者聖ヨハネの説教(ブリューゲル)
 
 続いては16世のスペインで活躍したエル・グレコ(1541〜1614年)の作品です。「オリーブ山のキリスト」は、最晩年の1610〜1614年に描かれました。最後の晩餐を済ませたキリストは、3人の弟子を伴ってオリーブ山にこもって祈りを捧げます。画面の下では途中で眠ってしまった弟子たちが描かれていて、上部ではキリストの前に天使が姿を現した場面が描かれています。この後、キリストは逮捕されて十字架に磔にされてしまいます。
 
オリーブ山のキリスト(エル・グレコ)
オリーブ山のキリスト
(エル・グレコ)
聖アンデレ(エル・グレコ)
聖アンデレ
(エル・グレコ)
 
 
 「聖アンデレ」は、初代ローマ法王とされている聖ペテロの弟です。もともとは漁師でしたが、兄とともにキリストの弟子になりました。キリストの死後、44年にギリシャの総督に逮捕されて処刑されました。彼が磔にされのはX字型の十字架だったと言われています。