チェコ旅行記


聖ヴィート大聖堂


「ドヴォルザーク/チェコ組曲”ポルカ”」
 
 第二の中庭を左方向に進むと、プラハ城の最大の見所である聖ヴィート大聖堂が建っています。とても大きな建物なのでカメラに全体を収めることができません。幅60メートル、奥行124メートル、高さ97メートルという巨大な聖堂です。
 
 大聖堂は午前9時から開館しますが、今回のツアーでは特別に8時から貸切で入場させていただきます。
 
聖ヴィート大聖堂
聖ヴィート大聖堂の入口
聖ヴィート大聖堂の入口
 
← 聖ヴィート大聖堂
 
 大聖堂の中に入ると、壁一面に大きな窓が並びステンドグラスで飾られています。現地ガイドさんの説明を聞きながら大聖堂を見学します。
 
聖ヴィート大聖堂の内部
聖ヴィート大聖堂の内部
 
 聖ヴィート大聖堂は、929年にボヘミア公の聖ヴァーツラフが建てた教会が基礎になっています。聖ヴァーツラフ(在位921〜929年)は、この教会に聖ヴィートの右腕を奉納しました。
 
聖ヴィート大聖堂の中央祭壇
聖ヴィート大聖堂の中央祭壇
 
中央祭壇のステンドグラス →
中央祭壇のステンドグラス
 
 中央祭壇の背後には聖三位一体のステンドグラスが飾られています。1948年にシュヴァビンスキーによって制作された新しいものです。キリストが描かれたステンドグラスの両脇には大聖堂の建設に関わったボヘミアの君主たちが描かれたステンドグラスがあります。
 
 
 向かって左側のステンドグラスでひざまずいているのは2代目の大聖堂を建設したスピチフニェフ2世(在位1055〜1061年)です。彼は、1060年に聖ヴァーツラフ時代の教会をロマネスク様式で再建しました。この時に教会は3人の聖人に捧げられ、聖ヴィート・聖ヴァーツラフ・聖ヴォイテフ大聖堂が正式名称となりました。
 
第二の中庭
スピチフニェフ2世
聖ヴァーツラフとカレル1世
聖ヴァーツラフとカレル1世
 
 向かって右側のステンドグラスには2人の人物が描かれています。上段に描かれているのは最初の教会を建設した聖ヴァーツラフです。彼は、ボヘミアを建国(ボヘミア公国)したボジヴォイ1世(在位870〜895年)の孫にあたります。若くして暗殺されてしまいましたが、キリスト教の布教に努めた功績が認められて聖人にされました。
 
 下段に描かれている人物はボヘミア王カレル1世(在位1346〜1378年)です。1344年、カレル1世は聖ヴィート大聖堂の再建に取り掛かります。再建工事はフランスから招かれたマティアス・ダラスが設計を担当し、彼の死後はペトル・パルレーシュ(ドイツ名はペーター・パーラー)に引き継がれます。再建工事は主祭壇がある東側から始まりましたが、半分ほど工事が済んだところで戦争や資金難によって中断されてしまいます。最終的に私たちが入場した西側の半分は1929年に完成しました。
 
ステンドグラス「聖キリルと聖メトディウス」(アルフォンス・ミュシャ)
聖キリルと聖メトディウス(アルフォンス・ミュシャ)
 
 大聖堂を飾るステンドグラスの中で特に有名なのが、チェコ出身の画家アルフォンス・ミュシャ(1860〜1939年)が1931年に製作した「聖キリルと聖メトディウス」です。
 
 聖キリルと聖メトディウスは9世紀にキリスト教の伝道のためにチェコにやってきて初代ボヘミア公ボジヴォイ1世に洗礼を施しました。作品の上の方で上半身裸でひざまづいているのがボジヴォイ1世で、彼に洗礼を施している老人たちが聖キリルと聖メトディウスです。
 
 上の写真では切れてしまってますが、ステンドグラスの一番下に「BANKA SLAVIE」と描かれています。これは、スラブ銀行がスポンサーになって作品が制作されたことを表しています。