ロシア旅行記(モスクワ)
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モスクワの凱旋門
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モスクワはセルギエフ・パサードから南西に約70キロの位置にあります。2時間程で到着しました。レストランで夕食をとった後、ホテルにチェックインして解散します。
時間は20時をまわっていますが、外はまだ明るいので、さっそく部屋に荷物を置いて散策にでかけます。
ホテルを出て、クトゥーゾフ通りと呼ばれる大通りを歩きます。しばらく歩いていると、1体の騎馬像が見えてきました。対ナポレオン戦争で活躍したバグラチオン将軍(1765〜1812年)です。
1812年6月、フランス皇帝ナポレオンが45万を超える大軍を率いてロシアに侵攻してきます。

バグラチオン将軍の騎馬像 |
劣勢のロシア軍は戦いを避けて退却を繰り返しますが、9月7日、ついにモスクワの西120キロのボロディノでナポレオン軍を迎え撃ちます。
この戦いで活躍したのが、ロシアの第二軍団を指揮していたピョートル・バグラチオン将軍です。彼はグルジア王家の出身ながらも、軍人を志し、150を超える戦闘を経験していました。
彼は、ナポレオンに「ロシア軍でもっとも勇敢な将軍」と賞賛されましたが、自身はこの戦いで重傷を負い、亡くなりました。
さらに通りを歩いていると、また騎馬像が見えてきました。この大通りの名前にもなっている対ナポレオン戦争の英雄クトゥーゾフ将軍です。

クトゥーゾフ将軍の騎馬像 |
クトゥーゾフ将軍は、対トルコ戦争などで活躍した将軍で、1804年のロシア・オーストリア連合軍とフランス軍のアウステルリッツの戦いでもロシア軍の司令官を務めました。
ボロディノの戦いではアレクサンドル皇帝から総司令官に任命され、激闘の末にナポレオン軍に大打撃を与えます。しかし、ロシア軍の被害も大きかったため、ロシア軍はモスクワを放棄して退却しました。

ボロディノ戦闘パノラマ館 |
クトゥーゾフ将軍の騎馬像の後ろにはボロディノ戦闘パノラマ館が建っています。
ここには、ボロディノの戦いの様子を描いた絵画やミニチュア、将軍たちの肖像画が展示されているそうです。
残念ながら、すでに閉館時間を過ぎていて入場できませんでした。
ボロディノ戦闘パノラマ館の先には凱旋門が建っています。

モスクワの凱旋門 |
ボロディノの戦いから1週間後の9月14日、ナポレオン軍はモスクワに入城します。その夜、ロシア軍の放った火によってモスクワは炎上します。
ナポレオンは1ヶ月間、モスクワに滞在してロシアの降伏を待ち続けましたが、ついにあきらめ、10月19日にモスクワからの撤退を開始します。
厳しい寒さと餓えに悩まされながら退却するナポレオン軍をクトゥーゾフ将軍の率いるロシア軍が追撃します。国境まで無事に退却できたナポレオン軍は、わずか2万人だったそうです。
この大勝利を記念してモスクワに凱旋門が建設されました。
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