ロシア旅行記(モスクワ)


武器庫


王冠のコレクション
王冠のコレクション
 宮廷の儀式で利用された王冠などは特に貴重なコレクションといわれています。
 
 右の写真の一番手前にある「モノマフの皇冠」は、12世紀にビザンティン帝国の皇帝からキエフ大公ウラジーミル・モノマフに贈られたものと伝えられていました。しかし、実際にはそれより後の13世紀末から14世紀にかけてつくられたものだそうです。
 
 この冠は、15世紀から17世紀のピョートル1世まで歴代の皇帝の戴冠式で使用されました。
 
武器庫に展示されているイワン4世の玉座
イワン4世の玉座
 右の写真はイワン4世(雷帝)の玉座です。
 
 イワン4世(1530〜1584年)はロシア帝国ではじめて皇帝(ツァーリ)を名乗った人物です。
 
 彼はカザンを攻略してロシアの領土を拡大しましたが、さまざまな国内改革を行う過程で大量の粛清を行ったため、人々から恐れられました。
 
 下の写真はエカテリーナ2世が戴冠式で身に着けたドレスです。
 
武器庫に展示されているエカテリーナ2世のドレス
エカテリーナ2世のドレス
 ゾフィという名前だったドイツの一貴族の娘はエリザベータ女帝の後継者ピョートル3世に嫁ぎ、ロシア風にエカテリーナと名を改めます。
 
 1762年、彼女はクーデターをおこして近衛兵や諸侯に人気のなかったピョートル3世を退位させ、自ら女帝エカテリーナ2世として即位しました。
 
 彼女は文化の庇護者として知られ、ロシアが世界に誇るサンクト・ペテルブルグにあるエルミタージュ美術館は彼女のコレクションが基礎となっています。
 
 下の写真は1746年にプロイセンのフリードリヒ2世からエリザベータ女帝に贈られた馬車です。
 
武器庫に展示されているエリザベータ女帝に贈られた馬車
エリザベータ女帝に贈られた馬車
 プロイセンのフリードリヒ2世は女性蔑視の傾向が極端に強い王だったため、エリザベータ女帝やオーストリアのマリア・テレジア女帝は彼を嫌っていました。
 
 1756年8月、プロイセンとオーストリアの間で七年戦争がはじまると、ロシアもプロイセンに宣戦布告し、プロイセンの首都ベルリンを陥落させるなど、フリードリヒ2世を散々に苦しめました。