クロアチア旅行記(トロギール)
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聖ロヴロ大聖堂
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北門から入って遠くに見えている鐘楼を目指して道なりに進むと、トロギールのシンボルになっている聖ロヴロ大聖堂が見えてきます。
聖ロヴロはローマ帝国時代の3世紀に殉教した聖人です。聖ロヴロ大聖堂は13〜15世紀にかけて初期キリスト教会の跡地に建設されました。

聖ロヴロ大聖堂の鐘楼を目指して
聖ロヴロ大聖堂 →
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聖ロヴロ大聖堂は、長い年月をかけて建設されたためにロマネスク様式とゴシック様式が混ざっています。47メートルある鐘楼は、ヴェネチア共和国が支配した時代の15〜16世紀に建てられました。
この大聖堂の一番の見どころは入口を飾っている彫刻です。ラドヴァンというダルマチア地方出身の彫刻家の作品です。この入口は「ラドヴァンの玄関」とも呼ばれています。

聖ロヴロ大聖堂の入口
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入口上部の浮彫
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入口の上部分はイエスの誕生から始まり、最後の晩餐、十字架に架けられる場面など、イエス・キリストの生涯に関わる場面が刻まれています。
入口の両脇には、シベニクで見学した聖ヤコブ大聖堂と同じく、ライオン像に乗ったアダムとイヴの像が立っています。ライオンはヴェネチア共和国のシンボルです。
旧約聖書で罪を犯したアダムとイヴは楽園を追放されますが、ここでは大聖堂の内部が楽園を表していて、追放されたアダムとイヴが厳しい世間に向き合っていることを表しています。

ライオンとイヴの像
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ライオンとアダムの像
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アダムとイブの像のすぐ内側には聖人の浮彫が並んでいます。向かって左側の一番上は聖ペテロです。イエスから渡された天国のカギを持っているのが特徴です。その聖人たちの浮彫のさらに内側にはカレンダーを表す浮彫があります。

聖ペテロの浮彫
カレンダーの浮彫→ |
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向かって左側が1月と2月を、右側は3月と4月を表しています。1月の浮彫は厳しい冬に備えて動物を屠って食料を蓄えている場面です。2月はブドウ畑を耕している場面、4月は羊の毛を刈っている場面という具合に月ごとの仕事の場面が彫られています。
1月、3月、4月がラドヴァンの作品で、2月は弟子の作品です。4月まで制作したところで、ラドヴァンが亡くなったために以降のカレンダーは作られませんでした。
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