スペイン旅行記(セビーリャ)


セビーリャの大聖堂


 この大聖堂の中で圧倒されるのが巨大な黄金のレタベル(祭壇衝立)です。
 
セビーリャ大聖堂のレタベル(祭壇衝立)
レタベル(祭壇の衝立)
 高さが23メートル、幅が20メートルというキリスト教の世界で最大の大きさを誇っているそうです。
 
 45の浮彫に1000体以上の彫像で聖母マリアとキリストの生涯が描かれています。
 
 この大聖堂のもうひとつの見所が4体の像に担がれたコロンブスの棺です。4体の像は当時スペインに存在した4つの王国、カスティーリャ、アラゴン、ナヴァラ、レオンをあらわしています。
 
コロンブスの棺
コロンブスの棺
 1492年、コロンブスはグラナダを攻略してレコンキスタを終えたカトリック両王(フェルナンド王とイサベル女王)の支援を受けて、船団を率いて出航します。
 
 彼は、大西洋を横断する4回の航海で新大陸に到達するという快挙を成し遂げました。
 
 しかし、彼は発見した島々の統治に失敗して失脚し、不遇な晩年を過ごしました。
 
 彼は最後まで、自分が発見した新大陸(アメリカ大陸)をインドだと信じていました。
 
 コロンブスが発見した新大陸では莫大な金銀が発掘されました。セビーリャは新大陸貿易の拠点として空前の繁栄を極めます。
 
 15世紀から17世紀にかけて、全ヨーロッパの供給量の5分の1にあたる18万トンの黄金と、全ヨーロッパの保有量の3倍にあたる160万トンの銀がセビーリャを経由してヨーロッパに流れ込んだといわれています。ちょっと想像つかない数字です。
 
 この莫大な金銀は、ハプスブルク家のカルロス1世とその息子のフェリペ2世によるスペイン王国の覇権を支えました。しかし、やがて相次ぐ戦争やペストの流行によってセビーリャは荒廃していきます。
 
 こうした状況の中で、17世紀以降のセビーリャの人々の間では聖母マリア信仰が盛んになっていきました。この大聖堂の内部にも聖母マリアが祀られた祭壇が数多くあります。
 
大聖堂の祭壇
大聖堂の祭壇
聖母マリアの祭壇画
聖母マリアの祭壇画
 
 
 大聖堂を出たら、バスに乗って移動です。途中、レストランで昼食をとり、次はコルドバに向かいます。