スペイン旅行記(マドリード)


プラド美術館(エル・グレコ)


 ホテルで朝食を終え、バスに乗ったら、まずはマドリードで一番の見所「プラド美術館」に向かいます。
 
 さて、このスペインの首都マドリードですが、、、
 まず位置的にはイベリア半島のほぼ中央にあたります。そして、意外なことに標高655メートルという、ヨーロッパの首都の中で最も標高が高いところにあります。
 
 マドリードは、もともとは小さな村でしたが、ハプスブルク家のフェリペ2世の治世にあたる1561年にスペイン王国の首都に選ばれ、以後急速に発展していきました。現在の人口は300万人を越えているそうです。それまでは今日の午後から向かうトレドが実質的な首都でした。
 
 
 8時45分、プラド美術館に到着です。プラド美術館の入口は3つあり、スペイン出身の三大画家の名をとって、ベラスケス門、ムリーリョ門、ゴヤ門と名づけられています。私たちはフランシスコ・ゴヤの像が立つゴヤ門から入場します。
 
プラド美術館
↑ プラド美術館
プラド美術館に立つゴヤの像 →
プラド美術館に立つゴヤの像
 
 
 いよいよプラド美術館の内部に、、、といきたいのですが、現地ガイドさんの説明によるとプラド美術館は今年から写真撮影が禁止になってしまったとのことです。なので、ここでは美術館で購入した絵ハガキを使って、主要な作品を紹介したいと思います。
 
 まずは、現地ガイドさんに続いて、スペインが誇る三大画家の作品を見学します。最初に登場するのはエル・グレコ(1541〜1614年)の作品です。

 
 16世紀、カルロス1世とフェリペ2世のもとで黄金時代を迎えたスペインの宮廷には多くの芸術家が集まりました。エル・グレコもその1人です。エル・グレコは、ギリシャのクレタ島出身で、本名はドメニコ・テオトコプーロスと言います。エル・グレコはギリシャ人という意味で、これが画家の通称となりました。エル・グレコはフェリペ2世の宮廷画家を夢見てやってきましたが、彼の作品はフェリペ2世の好みにあわなかったため夢は叶いませんでした。以後、エル・グレコはトレドに拠点を移して活動します。
 
聖三位一体(エル・グレコ)
聖三位一体(エル・グレコ)
 エル・グレコは、マニエリスム様式を代表する画家で、彼の作品は、長く引き伸ばされた人物が特徴です。
 
 「聖三位一体」は、エル・グレコがトレドに拠点を移して間もない1577〜1580年に描かれました。トレドにあるサントドミンゴ・エル・アンティグオ修道院の主祭壇に飾るために制作されました。
 
 「受胎告知」は1597〜1600年にかけて描かれた作品で、聖母マリアの前に大天使ガブリエルが姿をあらわし、イエスを身ごもったことを告げています。
 
受胎告知(エル・グレコ)
受胎告知(エル・グレコ)
羊飼いの礼拝(エル・グレコ)
羊飼いの礼拝(エル・グレコ)
 
 
 「羊飼いの礼拝」は1612〜1613年にかけて73歳のエル・グレコが描いた最後の作品です。彼は、「聖三位一体」をおさめたサントドミンゴ・エル・アンティグオ修道院を自らの墓所に希望し、その祭壇に飾るためにこの作品を描きました。エル・グレコは翌1614年に亡くなり、この修道院に葬られました。