トルコ旅行記(イスタンブール)


トプカプ宮殿


 聖ソフィアを出て、トプカプ宮殿に向かいます。
 
 聖ソフィアがビザンティン帝国を象徴する建物なら、トプカプ宮殿はオスマン帝国を象徴する建物です。
 
 まずは、トプカプ宮殿の第一の門、「皇帝の門」をくぐります。入場したところには、聖イリニ(アヤ・イリニ)教会があります。イリニは「平和」を意味します。イスタンブール最古の教会です。
 
 この町がビザンティオンと呼ばれていた時代、ここにはギリシャ人の聖堂があったそうです。
 330年、ビザンティオンをローマ帝国の首都としたコンスタンティヌス帝は、この場所に聖イリニ教会を建設します。聖ソフィアが完成するまでは、ここがギリシャ正教の総本山でした。
 
皇帝の門(トプカプ宮殿の第一の門)
皇帝の門
聖イリニ教会
聖イリニ教会
 
 1453年、オスマン帝国のスルタン・メフメット2世はコンスタンティノープルを攻略します。
 1465年、この町をオスマン帝国の新たな首都にしたメフメット2世は、四方を見渡すことのできるこの丘に宮殿を建設します。宮殿は、1478年に完成しますが、以後も歴代スルタンによって増改築が行われました。
 
 この宮殿は、門(トルコ語で「カプ」)に礼砲用の大砲(トルコ語で「トプ」)が置かれていたため、18世紀ごろから、トプカプ宮殿と呼ばれるようになりました。
 
 また、「イスタンブール」という町の名前は、オスマン帝国の時代に知られるようになりますが、町の名前が正式に「イスタンブール」と決まったのは、第一次世界大戦が終わって、トルコ共和国になってからです。「イスタンブール」の由来は、コンスタンティノープルがトルコ風に訛ったとか、トルコ人がコンスタンティノープルを「イスティンポリン(町)」と呼んでいたとか、いろいろな説があります。
 
表敬の門、または儀礼の門
表敬の門
 聖イリニの先に進むと、2つの塔が特徴的な第二の門が見えてきます。
 
 トルコ語で、「バービュス・セラーム」と呼ばれています。「表敬の門」とか「儀礼の門」を意味するそうです。
 
厨房(陶磁器の展示室)に面した通り
厨房(陶磁器の展示室)に
面した通り
 門をくぐると、中央に庭園があり、それを囲むように建物が並んでいます。
 
 まずは、厨房に向かいます。宮殿には常に数千人の人々が暮らしていたため、ここでは毎日膨大な料理が作られました。
 
 現在、この厨房跡は中国や日本の陶磁器の展示室になっています。コレクション数は1万点を超えているそうですが、これらは歴代のスルタンが収集したものではなく、通常使う食器として入手されたものだそうです。
 
陶磁器のコレクション 陶磁器のコレクション
トプカプ宮殿の陶磁器のコレクション
 プレートを見ると、日本の陶磁器は全て「伊万里」となっています。
 
 これは、日本の伊万里港から出荷されたことに由来しているそうです。