イギリス旅行記(ロンドン)
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ロンドン・ナショナル・ギャラリー
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「解体のため最後の停泊地に引かれている戦艦テメレール(1838〜1839年)」は、イギリス人の画家、ウィリアム・ターナー(1775〜1851年)の作品です。
ターナーは、1775年にロンドンのコヴェント・ガーデンで理髪師の家庭に生まれました。少年時代のターナーはロンドンを流れるテムズ川を眺めて育ったそうです。

解体のため最後の停泊地に引かれていく
戦艦テメレール号(ターナー)
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この作品もテムズ川を舞台にしたもので、ロンドンの解体場まで蒸気船に引かれていく戦艦テメレールを描いています。
戦艦テメレールは、ネルソン提督がフランス・スペインの連合艦隊を打ち破った「トラファルガーの海戦」で活躍した戦艦です。
1805年の「トラファルガーの海戦」の勝利によって、ナポレオンはイギリス本土への上陸作戦を断念し、イギリスは危機から救われました。この勝利を記念して、このナショナル・ギャラリーの前にトラファルガー広場が建設されました。

座るモワテシエ夫人(アングル)
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「座るモワテシエ夫人(1856年)」は、フランス人画家、ドミニク・アングル(1780〜1867年)の作品です。
モデルになっているモワテシエ夫人は、富裕な銀行家の妻です。彼女が着ている花柄のドレスは、フランス第二帝政期(ナポレオン3世の時代)に流行したデザインです。
続いては、アングルと同じフランス人画家、オーギュスト・ルノワール(1841〜1919年)が描いた「雨傘(1881〜1886年)」です。この作品は、左右で人物の描き方や着ている衣装のデザインが異なっています。

雨傘(ルノワール)
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ルノワールが最初に描いた画面右の人たちは、淡いタッチで描かれています。
1881〜1882年にかけてイタリアを旅した後で、ルノワールは作品に手を加えました。
このときに描かれた左手前の男女は最初に描かれた右側の人たちと異なり、はっきりしたタッチで描かれています。
また、左右の女性が着ている衣装のデザインが異なっていることから、彼が絵を描き始めてから完成させるまでの5年間に服の流行が変わったことが分かります。
「ひまわり(1888年)」は、ゴッホ(1853〜1890年)がフランスのアルルで暮らしていた時期に描かれた彼の代表作です。

ひまわり(ゴッホ)
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ゴッホはアルルで暮らしていた時期に何枚もひまわりを描きました。その中でも、この作品はお気に入りだったらしく、花瓶に「Vincent」と自らのサインを記しています。
咲きかけの花、満開の花、枯れかけの花はそれぞれ、若さ、青年、老年と人生をあらわしているそうです。
「熱帯の嵐と虎(1891年)」は、アンリ・ルソーの1891年の作品で、彼が晩年に描いた20点に及ぶ熱帯風景シリーズの1作目です。

熱帯の嵐と虎(ルソー)
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この作品は、「パリの植物園より遠くに行ったことがない」と語っていたルソーが、創造で描きました。
ジャングルの密林は鉢植えの観葉植物を参考にし、虎は飼い猫を参考にして描かれたそうです。
ナショナル・ギャラリーの見学を終えてただいまの時間は17時です。この後の予定は、全員集合してバスでホテルに戻り夕食です。
ですが、17時を過ぎたばかりでまだ観光できる時間帯なので、私はみんなと分かれて別行動をとることにします。 |
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