イギリス旅行記(ロンドン)


大英博物館(エジプト・コレクション)


 再びエジプト・コレクションのコーナーです。最初に見学した部屋には彫刻や石碑が並んでいましたが、この部屋にはミイラや埋葬品など、死者に関わる発掘品が並んでいます。
 
ミイラの展示室
ミイラの展示室
 
 
 「狩猟の図」は、エジプトのテーベ(現在のルクソール)で発見されました。紀元前1350年頃の壁画で、テーベの書記官ネブアメンの墓の壁に描かれていました。3400年前の作品と思えないほど、鮮やかな彩色が残っています。
 
狩猟の図
狩猟の図
 中央にいる男性がネブアメンで、彼はパピルスで編んだ船に乗って狩りをしています。彼の後ろにいるのが妻で、足元にいるのは二人の娘です。
 
 続いては、テーベの書記官アニの墓から発見された「アニの死者の書」です。死者の書は、来世で復活を遂げるための呪文が描かれたもので、これは紀元前1250年頃のものです。
 
アニの死者の書
アニの死者の書
 左下にいる白い服を着ているのがアニ夫妻です。
 
 右下では、アヌビス神がアニの心臓と、真理を象徴するダチョウの羽を天秤にかけています。天秤が釣り合えば、現世での無罪が証明され、冥界に旅立つことができます。
 
 
 この展示室には、壁画や死者の書以外にも数多くのミイラや棺、副葬品が並んでいます。これらの展示品を見学しながら先に進みます。
 
ミイラの展示
ミイラの展示
ミイラの展示
ミイラの展示
 
 ミイラのコレクションの中で特に有名なのが、髪の毛や皮膚の色から「ジンジャー」と名づけられたミイラです。
 
先王朝時代のミイラ(ジンジャー)
先王朝時代のミイラ(ジンジャー)
 テーベの近郊で発見されたもので、紀元前3400年頃の成人男性のミイラと言われています。
 
 熱砂で急速に乾燥したため、バクテリアが生育することなく腐敗を免れ、現代まで保存されました。