イギリス旅行記(ロンドン)
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大英博物館(ローマ・コレクション)
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西アジアのコレクションに続いてローマのコレクションを見学します。
まずは、ネロ帝(在位54〜68年)の銅像です。彼は、ローマ帝国の初代皇帝アウグストゥス(在位、前27〜14年)から始まるユリウス・クラウディウス朝の第5代皇帝です。
ネロ帝の銅像 |
即位当初は、哲学者セネカの補佐のもとで善政を行いましたが、やがて暴君へと変貌し、セネカ、母后アグリッピナ、皇妃オクタヴィアたちを次々と殺害しました。
64年のローマの大火では、多くのキリスト教徒を放火犯として処刑しました。その中には初代ローマ教皇とされるペテロもいました。
68年にローマ帝国の属州で反乱がおこり、追い詰められたネロ帝は自殺、ユリウス・クラウディウス朝は断絶しました。
96〜180年にかけてのローマ帝国は、5代に渡って名君が続いた五賢帝の時代です。五賢帝の2番目にあたるトラヤヌス帝(在位98〜117年)は、ダキア(現在のルーマニア)遠征、ササン朝ペルシャの首都クテシフォンの攻略など、ローマ帝国の領土を最大に広げました。
続くハドリアヌス帝(在位117〜138年)は、治世の大部分を領内の視察に費やして国境の防衛力を強化しました。ブリテン島にも訪れ、122年から10年かけて現在のイギリスとスコットランドの国境近くに「ハドリアヌスの長城」を建設しました。
トラヤヌス帝の胸像 |
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ハドリアヌス帝の頭部像
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五賢帝最後の皇帝マルクス・アウレリウス(在位161〜180年)の死後、ローマ帝国は内乱の時代に突入します。この内乱に勝利して皇帝に即位したのがセプティミウス・セヴェルス帝(193〜211年)です。彼はローマ帝国史上初のアフリカ出身の皇帝です。
セプティミウス・セヴェルス帝の胸像
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209年、セプティミウス・セヴェルス帝はブリタニアに遠征します。
ローマ軍はハドリアヌスの長城を超えてスコットランドの奥深くに進軍します。
しかし、当時病を得ていた皇帝自身は前線に出られず、ヨークの町で指揮をとりました。そして、211年にヨークで64年の生涯を終えました。
ローマ皇帝の像に続いて、ローマ帝国時代の工芸品を見学します。
「ポートランドの壺」は、アウグストゥス帝の治世に制作されたカメオ・ガラスの傑作と伝えられています。1785年にポートランド公爵の所有になったことから、この名前で呼ばれています。
ポートランドの壺 |
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騎馬小像
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青銅で作られた騎馬小像は紀元前560〜550頃の作品です。イタリア南部で出土しました。青銅の作品は、その多くが後の時代に武器制作のために溶解されたため、現存しているのはごくわずかだそうです。 |
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