イギリスの歴史


ノルマン・コンクエスト(1042〜1154)


 1066年にエドワード懺悔王が死去すると、次のイングランド王位を巡って三つ巴の争いが始まります。
 
ウィリアム征服王(ロンドン博物館)
ウィリアム征服王
 イングランドの貴族は前王の義弟ハロルド2世を国王に選出しますが、これに隣国フランスのノルマンディ公ウィリアムが異議を唱えます。彼は、エドワード懺悔王がノルマンディに亡命していた時に、次のイングランド王位を約束されていたと主張しました。
 
 同じ時期、ノルウェー王ハーラル3世もイングランド征服の野心を抱き、ヴァイキングを率いてブリテン島北部に上陸します。
 
 ハロルド2世は、イングランド軍を率いてロンドンを北上し、スタンフォード・ブリッジでヴァイキングに勝利をおさめます。しかし、その数日後にウィリアムが1万2千の軍勢を率いてブリテン島南部に上陸しました。
 
 ハロルド2世率いるイングランド軍は南に引き返し、ノルマンディ軍とヘイスティングズで激突します。騎兵を中心としたノルマンディ軍は、歩兵を中心としたイングランド軍を圧倒し、国王ハロルド2世を含む多くの将兵が戦死しました。
 
 1066年12月25日、ウィリアム(征服王)はロンドンのウェストミンスター寺院で戴冠し、ここにノルマン王朝によるブリテン島支配が始まりました。
 
1066年 1月、エドワード懺悔王が死去、義弟ハロルド2世がイングランド王に即位
9月25日、「スタンフォード・ブリッジの戦い」でハロルド2世率いるイングランド軍がノルウェー軍に勝利
10月14日、「ヘイスティングズの戦い」でウィリアム1世率いるノルマンディ軍がイングランド軍に勝利
イギリス、ロンドンに建つウェストミンスター寺院12月25日、ウィリアム1世がイングランド王に即位
(写真はウィリアム1世の戴冠式が行われたロンドンに建つウェストミンスター寺院
1070年 イギリス、ロンドン郊外のウィンザーに建つウィンザー城ウィリアム1世、ロンドン郊外にウィンザー城を建設
(写真はロンドン郊外のウィンザーに建つウィンザー城
1078年 イギリス、ロンドンに建つロンドン塔ウィリアム1世、ロンドン塔の建設に着工
(写真はロンドンに建つロンドン塔
1087年 ウィリアム1世が死去、ウィリアム2世がイングランド王に即位
1099年 第一次十字軍がエルサレムを占領。ノルマンディ公ウィリアムの息子ロベールも参加
1100年 ウィリアム2世が死去、ヘンリー1世がイングランド王に即位
1135年 ヘンリー1世が死去、娘マティルダと甥スティーブンの間で後継者争いがはじまる
1154年 マティルダの息子、ヘンリー2世がイングランド王に即位(プランタジネット朝はじまる)