オーストリア旅行記(ウィーン)


王宮宝物館


 続いては、スイス宮にある王宮宝物館を見学します。ここには神聖ローマ帝国とオーストリア帝国に伝わる秘宝が展示されています。館内はフラッシュを使わなければ写真撮影OKとのことですが、暗いのでかなり苦労します。
 

神聖ローマ皇帝の冠
神聖ローマ皇帝の冠
 神聖ローマ皇帝の冠は、10世紀末頃につくられたものと伝えられています。
 
 この冠は、962年に神聖ローマ皇帝に即位したオットー1世の戴冠式で使用されたものと伝えられています。
 
 続いては、オーストリア皇帝の冠とマントです。冠は1602年に神聖ローマ皇帝ルドルフ2世のためにつくられました。マントは1830年にオーストリア皇帝フランツ1世が息子フェルディナント1世のためにつくらせたものです。
 
オーストリア皇帝の冠と王笏
オーストリア皇帝の冠と王笏
オーストリア皇帝のマント
オーストリア皇帝のマント
 
 
 冠の近くにはオーストリア皇帝の正装をしたフランツ1世の肖像画が飾られています。フランツ1世は展示されている冠を頭に乗せ、王笏を手にしています。
 
オーストリア皇帝フランツ1世
オーストリア皇帝フランツ1世
 1804年2月にナポレオンがフランスの皇帝に即位すると、神聖ローマ帝国の皇帝フランツ2世は、同じ年の8月にオーストリア皇帝に即位してフランツ1世を名乗ります。
 
 このとき、ルドルフ2世の冠がオーストリア皇帝の正式な冠として採用されました。
 
 1806年8月6日、神聖ローマ帝国は終焉をむかえ、フランツ2世は神聖ローマ皇帝の肩書きを失いました。
 
 「美しいヒヤシンス」は、1686年に神聖ローマ皇帝レオポルト1世が416カラットのガーネット石を購入し、双頭の鷲の型にはめ込みました。エメラルドの器は、皇帝ルドルフ2世の治世の1641年にコロンビアから採取された2680カラットのエメラルドの原石を加工してつくられました。
 
美しいヒヤシンス
美しいヒヤシンス
  エメラルドの器
エメラルドの器
 
 
 最後に紹介するのは、金羊毛騎士団の衣装と騎士団の勲章です。
 
 金羊毛騎士団は1430年にブルゴーニュ公国(現在のフランス・ブルゴーニュ地方とベネルクス)のフィリップ善良公が創設しました。
 
金羊毛騎士団の衣装 金羊毛騎士団の勲章
 
金羊毛騎士団の衣装と勲章
 
 
 騎士団長の肩書きは、ブルゴーニュ公家の断絶後は、ブルゴーニュ公国の領土とともにハプスブルク家が継承し、以後はハプスブルク家の歴代君主がつとめました。